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一定期間更新がないため広告を表示しています 2012.05.27 Sunday
- - Let's note はとにかく軽い
Let's note というノートパソコンを、ご存知ですか。 世界最軽量の、ノートパソコンです。 でも、ノートパソコンの話をしたいわけじゃないんです。 このLet's note、越智友亮の俳句にすごく似ているなぁ、と思っているんです。 そのことを話します。 Let's noteは、世界最軽量を名乗っていますが、 実は最も容量の小さいパソコンではないのです。 むしろ、でこぼこしていて分厚い。 自動車で言えば丁度スバル360などと同じ設計思想で 薄い鋼板でいかに強度を持たせるか、ということに特化している。 そうすると、鋼板が平らであってはいけないわけです。 曲げることで、強度が出る。 逆にMac book air などは薄いけれども、Let's note より重い。 これは薄さを得るために材料を厚くして、軽量化をある程度犠牲にしているわけです。 じゃあ、そんなLet's noteみたいな越智の俳句ってどんなのがあるのよ、と言うと。 由緒書きをさーっと読んで梅の花 越智友亮 これ、あえて上六にしているわけです。助詞の「を」を取ってしまえば、 ひとまず五七五になって、いかにも俳句らしい韻律になるわけだけれど、 それでは作品の強度がガタ落ちなわけです。 内容自体を考えてみれば、「世界の謎を言語化したぞ!」という いかにも詩らしい奥深さなんてのは、これっぽっちもない。 うん、全ー然ないんです。 もしこの句を推敲するとすると、彼は、 その内容の平々凡々さをあきらめ、ひねりを効かせて強度を持たせるか、 口語の字余りでしか出ない味わいをあきらめるか、どちらかを取る必要がある。 そのとき彼は韻律を犠牲にして、内容の軽量化に特化するわけです。 なんの躊躇いもなくね。 じゃあ、逆に、軽量化を犠牲にして、 フォルムの美しさに特化した、 そんな俳句を知っているのですか、と問われれば、 私は即、阿波野青畝の俳句を挙げるでしょう。 十六夜のきのふともなく照らしけり 阿波野青畝 昨晩は一五夜だった、という、王道な秋の月の趣きを 簡潔に、しかしじっとりと詠みきっている。 薄いけど、重い。 これはそういう俳句だと思うのです。
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